2024-01-01から1年間の記事一覧
バルトークを聴くと不思議と落ち着くのは、この灰色の音像が自分に馴染みある諦念に連れ戻してくれるからかもしれない。ジョイスが面白いのに続きが読めなかったのは、これ以上刺激を受けることの恐ろしさ、その内容の陰鬱さに乗り移られるのを恐怖してか、…
恋愛感情は友情より憎悪に属する、というラ・ロシュフコーの言葉を思い出しながら目が覚めたのは、Kとの関係性がそれに当てはまるからだ。そしておれは似たような関係性を、別の人間との間ですでに反復しており、これはその延長線上にある。おれがKに惹かれ…
叶わない夢に終わりを隠していた、という歌詞が頭に浮かぶ。Kとの出来事を題材に、二つの短編がつくれそうだ。一つは相手がこちらへの愛情で苦しんでいる時にだけ、相手の愛情を確信できるということ、つまり率先して相手を苦しめようという気概が起こりかね…
文学における告白の歴史についてフーコーは書いたらしいが、おれはまだ彼の著作をまともに読んだためしがない(ただ一つ、彼のフローベール論は別である)。古く言えばアウグスティヌス、ルソー、トルストイと様々な告白者がいるが、どれもやや大げさな語り口…
八時半に仕事を終え、九時過ぎに帰宅。それからぼんやり過ごした後、一〇時前には眠りについたが、一二時半ばくらいに目が覚めて、そこから再び入眠することが出来ずにだらだらと寝そべって、気が付けば一四時半を迎えようとしている。けだるさと、軽く焼け…
小説が書けないという悩み、既に何度も直面しながらその都度克服する方法の見つからない悩みに突き当たっている。疲れるのが嫌だから、と考えることもできる。あるいは自分を触発する本がないからか、もしくはいくら書いたところで金になるわけでもないから…
Kとの関係が憂鬱で、重苦しいが、向こうもそう感じているに違いない。くっつかない、しかし離れることもできず、一線を越える手前でずっと戸惑っている。もしかすると相手は長く待ち続けているのかもしれない、そう考える時が多いが、自分は誰かに働きかける…
(午前三時から五時にかけて書いたもの) 自分を癒すために書く必要があるならば、創作とは奇妙な営みだ。 自分の世界に籠るというより、むしろ自分自身が一つの世界として閉じなければならないが、同時に遠い時代、異なる地理を生きる人間にも訴えかけるよ…
(昼頃に書いた記録) 倦怠に襲われている時、この緩やかに感性を蝕む退屈が永遠に広がっているような気がする。何より恐ろしいのは、それについてさえ無感覚になるということ、何かしなければと思いながら、既に憂鬱に深く毒されているあまり、焦りさえ覚え…
またしても憂鬱。そして気がつけば日付が変わっていた。光に抑圧されているような感じが拭えず、燈のないロフトでパソコンを開いている。いつか液晶画面の青白さにも耐えられなくなるかもしれないが、SNSと電子機器の発達がなければ、自分はこのような言語能…
頭の中でいつまでもScott WalkerのFarmer in the cityが流れている。パゾリーニを追悼した曲らしいが、歌詞を読んでも意味がつかめない。二一という謎めいた数字が何度も繰り返されることが主な原因だと思うが、文法がさほど難しくなく、ほとんど知っている…